じゃあやってみよう。何事も挑戦だ。
まず摘み取られるところから。森林ヒーリング系のBGMでいきましょう。
爽やかな葉擦れの音。突如現れる足音。ブチッ。鈍くて強烈な痛み。空を飛んでいる。意識を手放す。
ここでBGMを居酒屋のような喧騒に切り替える。騒がしい音が四方八方から攻めてきて、ちぎれた部分に響く。
刹那、短く鋭い痛みのあと、全身が細かく分割される。意識が霧散していく中で、体にねっとりした何かが纏わされてる気配を感じる。
そしてそのシュワシュワパチパチという音は、自分の右耳でも左耳でもなく内側から発生しているのだと想像する。
その音は心地よいだろうか? 不快だろうか?
そんなことを考えているうちに固められ動かなくなった自分が硬い皿に置かれ、何者か――それはきっとキミだ――の前に晒される。
山菜だった自分はすべてを手放し、キミの歯によるダメ押しの一撃、いや十撃くらいを食らった後、キミと一つになる。