ダメだ……高校生の頃、承認欲求と憧れと思慕とが混ざった目で秋山君を密かに見つめていたあの時と同じだ。どうこうなりたいのかというとそういうわけでもないけれど、ただお近づきになるだけでは満足できない。正直に言って、手とか繋げたらいいなと思うし、もっと話したいなと思う。でもキスはしたくないし、現状、聞いた限りでの趣味は合っていない。とは言え、大きい歩幅に合わせて歩くのはどことなく快感ではあったし、たまに少しこちらを振り向いてくれるのが物凄く嬉しかった。馴れ馴れしいというかフランクというか……な態度も大好き! 私が好きになるなんて可哀想だと思わないわけではない。だけどもこのまま、好きだということがバレなければ、勝手に思っているぐらい相手にとっては関係のない話だ。だからまあ、いいのだ。
しかし、どうも私はダメだな、と思うのが、結局のところ、話を聞いてくれる人が好きなのだなということだ。
愛されてえ。チヤホヤされたいしめちゃくちゃ甘やかされたい。私の望むこと全部をやってほしい。とりあえず私の上で寝ころんでみてほしいし、男性特有の、筋張ったひざ~脚のラインを触りたい。(こう聞くと体だけみたいでいやだな)できれば一緒に踊りたい。流石にめちゃくちゃ酔わないとできないけど。私を笑わせてほしい。私の話で笑わせたい。電話して、切った時の切なさを感じたい。ウウウ……どうでもいいような夢の話とか聞かせてほしいし聞いてほしい。