昔は今より少し金銭的に余裕があったので、近くの展覧会は手当たり次第に行ってた。美術館の友の会にも入っていた。
そんな中でも自分なりに節約して、おにぎりを作って美術館の近くの公園のベンチで食べたりしていた。
無理して図録を買ったり、買えなくて後ろ髪を引かれる思いをしながらポストカードだけ買ったりもした。
専門外のものもたくさん見た。少しずつ何かしらの共通項があって、とても楽しかった。
豊かな時期だった。
今はそこにいくまでの交通費やチケット代を考えるだけで頭が痛い。チケット代は作品に見合う対価だと本当に思う。今の私に見合わないだけなのだ。
忙しなく生きているなかで、空いた時間にインスタをみると、とても行きたかった展覧会のアカウントが「〇〇日をもって……」と終了の知らせを投稿していた。
だんだんと情報を集めることも少なくなってきた。どうせ行けなくて悲しい思いをするのだ。
惨めで貧相で悲しい。