2018-04-06

ねことこども


「まるで、親と子どもみたいね

リビングで飼い猫のちび(メス)と戯れていると、母が愉快そうにそんなことを呟いた。

「そうかな?」

「無論、ちびが親であなた子どもよ」

「えっ~~~、私が親じゃないの?」

「違うに決まってるじゃない」

弾けるように笑ったあと、母は思い出すように口を開いた。

家に虫がいると捕まえて私のところに持ってくるのは、狩りの仕方を教えるため。

鳴き声を上げながら私を連れて歩く時、夏は涼しい場所を冬は暖かい場所を教えるため。

家の周りを探索したとき、私の前を歩いていたのはいつでも私を守れるように。

私が体調を崩したり、泣いているときに傍にいるのは心配から

「挙げていったらきりがないほど、ちびは親としてあなたと接しているのよ」

「気づかなかった」

「猫としての本能もあるけれど、あなたを思う気持ちも少なからずあると思うわ」

私はその言葉が嬉しくて、嬉しくて窓際で黄昏ているちびの隣へ行き顔を合わせた。

「ちび~~~、そうだったの~~~。私、めちゃくちゃ嬉しい。ありがとう

頬擦りをしようと顔を近づけると、ちび渾身のネコパンチをお見舞いされた。

「痛い、でもそういうとこも好き」

邪険にしても怯まない私に呆れたのか、ちびは二回ほどゆっくり瞬きをしたあと、身体を倒し丸くなる。

私もちびの隣で横になり、瞼を閉じた。

さな寝息が心地よい。

できることならずっと一緒がいいなぁ、と思いながら私たちは日に融けた。

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