彼女とは一時期2年半くらいつきあって、その後別れた。
あるいはあの時の彼女とは今の表層部分にいる彼女は別の人格であることを知っている。
この間、2年ぶりに連絡を取った。
2年の間に彼女は結婚したということを僕は知人づてで聞いていた。
自分の仕事が忙しく、代わりの人材を欲しいのだと、僕は現状を説明して断り、別の人を紹介する話をした。
そして、少しだけ、処理事項とは別のコミュニケーションのようなものを取った。
僕は「何それ?」と彼女に言った。
彼女は努めて大人の、知人として振舞おうとしているのだと思った。
僕は彼女とそうやって関係が持てているというだけで、誇りのように思っている。
そうやって彼女はたまに僕の近くに現れる。
もうとても近くにいることはないのかもしれないけれど、僕の人生においてとても大切な人だと思っている。