今日ももうすぐ日が暮れる。
この時間になると、いつも私は川の近くまで歩いて、夕日を眺める。
お気に入りの場所はちょうど川と海の境目が見える場所だ。
塩と真水の混合された液体から醸し出される匂いが好きだ。
その上、夕日を浴びた水は一層私の心を癒やしてくれる。この時間は私にとって至福の時間である。
毎日、同じ場所を同じ時間にいると、ほんの少し自分が世界を知ったような気分になる。スーツ姿のサラリーマン、3人仲良しの中学生や犬の散歩をする老夫婦……。名前は知らないが、知っている人たちだ。
決して、私から話しかけないし、話しかけられることもない。ただ、毎日すれ違う程度の関係だ。それでも、なんだか親しみをもってしまう。
今日も私は川へと向かう。
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