点線に沿って下半分だけ綺麗に切り取られたような夜だった。
シクラメンは設問に答えない。申し訳程度に首を傾げて空が落ちてくるのをずっと待っていた。
前線には四人の仲間がいて、それぞれがそれぞれのグラスを感傷で満たす。賢人はノートを切り離さないらしい。
電解質の消しゴムで春の憎しみを描いていたら、Bluetoothが起動して心と頭がペアリングされた。
面接で言えなかった特技は忘年会で昇華しようと思う。OB・OGなら笑ってくれるだろう。
検閲されなかった痛みは二週間遅れで僕の髄膜あたりに再降臨した。成功したと思っていた告白が、卓袱台と化して寝込みを襲ってくるように。
ボールペンが滑り、万年筆が掠れる。鉛筆は言い当ててもらえなかった。ただスプーンだけがコーヒーカップに寄り添い、勝者の笑みを浮かべている。