最初に恐怖を覚えたのは、小学生の頃、親が死ぬのを夢で見たときだった。
大学を卒業して就職して実家を離れ一人暮らしをはじめて数年経った今も、その恐怖は膨らみ続けている。
そのことへの心構えができているというのはそう悪いことではないのではないか、と考えた時期もあった。
でもやっぱりその恐怖に慣れることはない。
あと何回会えるんだろう。
親孝行しなきゃ、とは思うんだけど、なかなかできていない。親に尽くしても、この焦燥感をおさめることはできない。
親に何かをするというより子である自分自身が幸せになることがいちばんの親孝行になるとして、自分は今全然幸せじゃないから、たぶん後ろめたさがあるんだと思う。幸せじゃないなんて口に出さないけどね。せっかく産んでくれたのに、幸せになれないんじゃきっと親も悲しいよな。