2016-08-20

ハウルの動く城

カルシファー:くさい。生きものと鉄の焼ける臭いだ。

   半身鳥の魔獣と化したハウル暖炉の前の小さな腰掛に座り、脚を投げ出して、うめき声をあげる。だんだんに人の姿へと戻る。息をつく。

カルシファーあんまり飛ぶと戻れなくなるぜ。(そばにあった薪をたぐり寄せ)すごいだろ。ソフィーが置いてくれたんだ。

ハウル   :ひどい戦争だ。南の海から北の国境まで火の海だった。

カルシファー:おいら火薬の火は嫌いだな。やつらには礼儀ってものがないからね。

ハウル   :同業者に襲われたよ。

カルシファー荒地の魔女か?

ハウル   :いや。三下だったが、怪物に変身していた。

カルシファーそいつらあとで泣くことになるな。まず人間には戻れないよ。

ハウル   :平気だろう。泣くことも忘れるさ。

カルシファーハウル国王に呼び出されてるんだろう?

ハウル   :まあね。風呂にお湯を送ってくれ。

カルシファー:え。またかよ。

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