カルシファー:くさい。生きものと鉄の焼ける臭いだ。
半身鳥の魔獣と化したハウル、暖炉の前の小さな腰掛に座り、脚を投げ出して、うめき声をあげる。だんだんに人の姿へと戻る。息をつく。
カルシファー:あんまり飛ぶと戻れなくなるぜ。(そばにあった薪をたぐり寄せ)すごいだろ。ソフィーが置いてくれたんだ。
ハウル :ひどい戦争だ。南の海から北の国境まで火の海だった。
カルシファー:おいら火薬の火は嫌いだな。やつらには礼儀ってものがないからね。
ハウル :同業者に襲われたよ。
カルシファー:荒地の魔女か?
ハウル :いや。三下だったが、怪物に変身していた。
カルシファー:そいつらあとで泣くことになるな。まず人間には戻れないよ。
ハウル :平気だろう。泣くことも忘れるさ。
カルシファー:ハウルも国王に呼び出されてるんだろう?
ハウル :まあね。風呂にお湯を送ってくれ。
カルシファー:え。またかよ。
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