「おう八っつぁん、どうした浮かない顔をして」
「おや熊さん。それがな。ここだけの話なんだが、俺ぁもう相撲を取るのをやめようかと思うんだよ」
「そりゃまたどうしてだい。おまえさん、このあいだ横綱になったばかりじゃないか」
「俺はほとほと疲れはてたんだよ。もう身体がぼろぼろだ。しばらくは家の中で出来る仕事をしてゆっくり過ごそうかと思うんだ。しかし家内にそう言うと反対されちまってね」
「そいつぁ奥さんが正しいよ。『河童も歩けば棒に当たる』と言うだろう。河の中では泳ぎが上手い河童だって、陸に上がればふらふらで、あちこちにぶつかっちまう。悪いことは言わねえから、おまえさんの土俵で勝負すりゃいい」
「しかし熊さん、『勝って兜に近寄らず』とも言うじゃねえか。得意だからってやっぱり危ないことはしたくねえ。上手くいったところですっぱりやめるのが正解だと思うんだがね」
「いやいや、それは違うぜ八っつぁん。『暖簾に種は生えぬ』ってな。ひらひら宙を舞う布っきれに、種を蒔いても何にもならねえ。どっしりとした地面に蒔いてこそ芽を出すもんよ。そう軽々しく新しいことに手を出すもんじゃねえさ」
「熊さん、やけに熱心に引き留めるね。まさかおまえ。くだらない噂だと信じていなかったが、やっぱり家内と…」
「ひひっ、ばれちまった。いやさ、おまえさんが家を空けているあいだにな。しかし俺が誘ったんじゃないぜ。『可愛い子は千里を走る』と言うだろ。良い女は千里も倫理も乗り越えて良い男のところにやってくるもんなのさ」
「こいつぁ許せねえ、引っ叩いてやる。昔から男女の色恋沙汰は『火のないところに穴二つ』ができると言うが、実際に火があったんなら尚更だ」
というのを、はてなブロガーの目 (id:ankoro)氏が募集しておる。 諺ひとり旅:読者参加企画のお知らせ - 新しいことわざの世界 お題は A:河童も歩けば棒に当たる B:暖簾に種...
「おう八っつぁん、どうした浮かない顔をして」 「おう熊さん。それがな。ここだけの話なんだが、俺ぁもう相撲を取るのをやめようかと思うんだよ」 「そりゃまたどうしてだい。...
中学生が数日後に読み返してイタタタとなるレベルじゃん あぁそう言えば桃太郎矢沢永吉とかも持ち上げてたな はてなーは知的な階級と言われてきたけど、実態はニコ生主やバカッター...