2015-09-16

通勤電車に、だっこ紐とリュックを背負ったお母さんがいた。

車内は、それなりに込んでるけど、世の中そんなに捨てたもんじゃなかった。

そのお母さんのまわりには、空間を作るために耐えるサラリーマン

お母さんの居場所を守るTシャツおっさん、母を気にするおばちゃん、赤ちゃん笑顔を送る高校生

色んな人が代わり代わりその役を変えてお母さんを守ってる。

お母さんはそのたびに、凛とした表情に笑顔をのせて、その好意に応える。

世の中の優しさより母の強さに驚いた。人々の好意を、謙遜も卑下もなくただ受け入れる。

僕がその立場にいたら、どうだろう、彼らの優しさに簡単に甘えてしまうではないか。

情をおもっ苦しく感じ、卑下て笑うか、感覚麻痺させ表情をこわばらせたのではないか。

接続駅で大量に人が降りると、お母さんはやっと椅子にかけることが出来た。

背中リュック邪魔をして、椅子に腰を軽く乗せただけだった。

それでも、緊張の糸を切るのは十分だったのか、お母さんはうっつらとうっつらと頭を下げる。

赤ちゃんけが、キョトンとした顔で、手と足をグイグイとのばしていた。

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