そう教えてくれたのはサン=テグジュペリの「星の王子さま」だった。
小学生だったぼくは、その言葉の意味がよく飲み込めなかった。好きな女の子は学校に行けば会えたし、大事にしていた玩具もいつだって手にとれた。
しばらくして、おじいちゃんが死んだ。ガンで入院していたおじいちゃんとの交換日記がぼくの宝物になった。それを読めばいつだっておじいちゃんとの思い出が蘇ってきた。なんだ、大切なものはやっぱり目に見えるじゃないか。
時は経ち、僕は本棚に眠っていたサン=テグジュペリのその本をもう一度読み返してみると、キツネの言葉は頭にすぅーっと収まった。
ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは、目に見えない。
ただ本来、「いちばんたいせつなこと」は目に見えるべきじゃないだろうか。そうすれば物事はもっと簡単になるのに。
どうしてたいせつなものは目に見えないんだろう?
今キミの目の前の一番近くにいる人がキミにとって一番大切な人なんじゃないかにゃー