俺よ、お前は長年苦しみの中にあっただろうがもう大丈夫だ。
お前自身が自分でその苦しみから抜けだそうと一歩踏み出せたからだ。
そのたった一歩でお前の世界は一変した。
お前は今まで「優秀でなければ自信を持つことは許されない」という呪縛の中に居た。
だがそれは嘘だ。
お前の親がお前を扱いやすく縛り付けるためにかけた呪いだった。
普通、いや普通よりも大分下でも自分としての自信や誇りを持っていいんだ。
そりゃ最高クラスの自信を持つためには最高クラスの実力がないと滑稽ではあるけど、そんな物がお前に必要だったんじゃないのは分かってる。
人並みの自信だ。
それが無いからお前は今まで苦しんできた。
最高と最低の2つに1つの物差しでお前を測って「普通」という足場をお前から奪い去った化け物はもういない。
そいつはもう消えた。
お前の足は今「普通」という確かな地面の上に立っている。
もう大丈夫だ。
そこは滅多なことでは崩れないほどに頑丈だ。
もう無理をしないでいい。
俺は今ちゃんと歩けている。
ついてこい。
一緒に暗闇の外に行こう。
ずっと待たせていて悪かったな。
これからは一緒に進んでいこう。
俺たちはまた1つになれる。
年を取るたびにバラバラにされて牢屋に繋がれることはもうない。
さあ人生を始めよう。