2015-04-23

本を読むために会社を辞めた

退職願を出すのに躊躇いはなかった。

慰留はされた。

僕は「本が読みたいからです」と答えた。嘘でも比喩でもなく、直裁的な本心だ。

餓死しても良い。むしろ本望だ。

もう十分、顧客自分動物的な快楽を満たすために、僕は己の命を削ってきた。

そういう毎日倫理的だとは思えない。それに、人が営々と積み上げてきた智慧に浴して最期を迎えるのは、決して悪くない選択肢だと思う。

人類が滅んでも、文化芸術英語で言うところの"Arts"だ)が遺れば良いと僕は思っている。

智慧は何よりも尊い。

僕は自らの尊厳を守るために、読むべき書がなくなるまで、言葉で作られた過去という繭に閉じこもる所存だ。

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