自分の親切が思わぬ形で誰か別の人を傷つけている可能性がある
レディーファーストによって、一人の女の子を喜ばせようと思ったら
それは実はその女の人の自立を奪っているのかもしれない
その行いは女の人はこうあるべきだという規範をうみ、実は女の人全体の自立が奪われているのかもしれない
その規範は、じつは男の人はこうなってはいけないという規範をうみ、その規範からはずれた男性を苦しめるかもしれない
でもその子の「自分のことは自分でできるんだ」という自信を奪っているのかもしれない
「女の子は荷物を持てないほどか弱いんだしそうあるべきだ」という規範が、強くありたい女の子の未来を奪っているかもしれない
男は荷物を持てるほど強くなくてはいけないという規範が、か弱い男性に自分はなんて情けないんだろうと責めさせているかもしれない
自分の行いが思わぬ形で他者をくるしめるかもしれないことに対する想像力だ
自分の行いをその場だけの関係に限定しその場限りの「得」を求める人にとってはフェミニズムはあまり必要ないのかもしれない
しかし、自分の行いを社会の中のあらゆる他者と結びつけ、そこに生じうるあらゆる責任をとろうと決断した男にとってフェミニズムの思想は「得」なのである