2011-10-11

愛すべき人のこと。その1

或る人の話をしようと思う。

今となっては、最も愛すべき存在になった人のこと。

でも、その前に、少しだけ恨みつらみも書こう。

彼のことである

正直に言おう。僕は彼に嫉妬していた。

会ったこともないのに。彼女からの伝聞でしか聞いたことがないのに。

僕のほうがずっと大人で、彼女に優しいんだと思っていた。

実際100人100人がそう言ってくれるであろう自信がある。

彼女は彼のせいで悩みを抱えていた。

仕方ないのだというけれど、同じ悩みを過去に抱えていた僕には、到底許しがたいことであった。

なぜかって? 彼女は僕と同じだったから。何が、ということはない。全てにおいて。

僕と彼女は性別は違えど、血肉を分けた兄妹のような不思議な関係だった。

からこそ、彼女が悩んでいる気持ちが誰よりもよく分かったし、過去自分と同じ過ちを犯していた彼のことが許せなかった。

本音を言えば、自分のほうが優れていても、あばたもえくぼ彼女が彼のことが大好きなのは仕方がないと思っていた。

僕も、それが成就するように精一杯の助言をして、彼女心のケアもした。

少し悔しいけれど、僕は彼女幸せになってくれれば、それでよかった。その力になれることが嬉しかった。

でも、僕が彼女にどんな言葉を伝えても、それは彼には伝わらない。

僕自身の存在さえ彼に知られてしまったのに。それでも変わらない。

もどかしかった。出来ることなら彼のもとへ行って、殴り飛ばしてやりたかった。

こんなに素敵な彼女を悲しませるなと。

だって彼女笑顔が大好きなのだ。それを守りたいと思っているのだ。

彼女が笑っていてくれることが、今の自分にとって何よりもの喜び。

から彼女がどんなに彼のことを愛していても、僕は許せなかった。

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