神に誓おう。仏でもいい。
そのために、何のバイアスもかけない言葉だけを伝えるようにした。
「君は悪くない。でもこうしてみたらもっとよくなると思う」
「僕も同じ事を考えたことがある。でもうまくいかなかった」
「僕と同じ失敗をして欲しくない」
「一度は失敗しないと分からないけれど、できれば終わらせて欲しくない」
僕に出来なかったことを成し遂げてほしい。そして幸せになってほしい。
そんな想いだけがあった。
彼女は僕のことも愛してくれた。
ふたり同時に好きになるって、本当は許されないのかな。
僕はそんな引っ掛かりもあったけれど、それでも、僕は彼女がめいっぱい自分のことも愛してくれることが、ほんとうに嬉しかった。
ちゃんと、節度はあったのかな。
普通に見たら、どう考えても許されなかったけれど。
それでも、自分たちの間には、ちゃんとラインが引かれていた。
それでよかった。僕がそれ以上を望んでいることも、彼女には正直に伝えたけれど。
でも、ふたりが納得して決めたことでないと、意味をなさない。