センターピボットと言われても分からない人もいるかもしれないが、要は『円形の農地の中央にスプリンクラーを置いて灌漑するやつ』である。アメリカや中国の乾燥地帯などではこの方法を用いて大規模な穀物生産をしている。
このやり方、水効率は確かに良い。が、水の出所は多くの場合地下水であり、地下水は限られた資源だ。一方で灌漑に用いられた水は一部は植物に取り込まれ、一部は蒸発し、一部は地下に還っていく。
つまり、センターピボットによる農業を続けている限り地下水が減少していくのであり、大規模なセンターピボットを行っている地域で地下水が尽きたら農業生産が大きく落ち込む。明らかに持続的ではない。
もちろん、「だから今すぐセンターピボットを止めろ。穀物の価格が上がって貧乏人が餓死しても知ったことか」などと言うつもりはない。が、今のうちに持続可能なものにする必要はあるだろう。