今思えば、あのゲームは一回一回のプレイがまるで人生の縮図のようだった。
初めの頃は、周りに出現する敵も弱く、簡単にレベルアップできる。
手に入る道具もまずは身につけて、荷物がいっぱいになるまで溜め込んだ。
その方が何かと便利だし。
出てくる敵も強くなってきて、状況を見誤れば窮地に陥ることもある。
お腹を減らしながらもレベルアップを続けて万全の状態で次の階層に向かうこともあれば、
なんとか敵をやり過ごして次の階段を見つけたらすぐに降りてしまうこともあった。
階層が深くなってくる頃、立ち回りはさらにシビアになってくる。
出現する敵は、1体でも厄介なのに、複数で出現したり、モンスターハウスに出くわした時なんて
逃げ回るのに必死だ。
さらに、このゲームには罠がたくさんあり、とらばさみに引っかかったり、
階層を降りたくないのに落とし穴で強制的に次の階に進めさせられたりする。
確か最終ダンジョンをクリアできずに、そのままゲームを止めてしまったままだったように思う。
だいたい、最下層あたりで、装備もレベルも十分でない状態で、ドラゴンに焼かれて死ぬのだ。
でも、鍛えあげた武器や財産を失うのが怖くて、道具はいつもなるべく持ち込んでいなかったんだ。確か。
人生がRPGに似てるって例えは結構前から各所で訊くね 社会の縮図ってことなら薄汚いMMORPGも的を射ていると感じる