1 回生のおわりのころ。新歓の準備をしていた。新歓は新 2 回生が主管することになっていた。 1 回生 5 人で準備をしていた。
このころ、部活の人間の半分が遠隔地に合宿していた。 1 回生も、 2 人が合宿地に、 3 人が本拠地にいた。メールや Google Drive で連絡して準備を進めていた。
新歓の準備を始めて以降、ある上回生の機嫌がずっと悪かった。 1 回生が開示する情報が足りないとずっと言っていた。どの情報が足りないかは言うことがなかった。
ある日この上回生がメールで情報、情報、情報とまくしたてるので、ついに私は、 1 回生が情報共有に使っている Google Drive のフォルダをその上回生にそのまま共有した。
これはその上回生を激怒させた。この人が Google Drive を使ったことがなかったからだろう。この人は自分が使ったことのないものに強い抵抗を示す人だった。もの凄い勢いの罵倒のメールが、数分後に飛んできた。いわく、
とのことだった。
ガラケーでは見れないかもしれないので、 PC で見てください。と申し上げたら、
がそのままもう一回送られてきた。
さて、じゃあどういうふうに共有すりゃいいのか。この人の言い分は、どの情報が具体的に足りない、というものではないから、全部を共有しなければ満足しないだろう。加えて、ガラケーで見れる手段で共有しないと満足しないだろう。すると、これまで 1 回生が積み上げてきた有形無形の情報を全てメールに打ち込んでこの人に送らなければいけないということになる。これはさすがに馬鹿げている。
この一件以降、わが部では、新しめの技術は一切禁止になった。情報共有は部室のノートに書くことが基本となった。メールがかろうじて許されるだけになった。
なお、この上回生がある日思いつきで iPad を買った後、いっぺんに技術へのものわかりが良くなり、新しめの技術を部の活動に採用できるようになった。