職場に、「話変わるんですけど」が口癖の人がいる。しかも二人もいる。
「話変わるんですけど」
そりゃ、会話をしていれば話は変わっていくだろう。ずっと同じ話をしているわけにもいかない。
しかし、仕事中頻繁に「話変わるんですけど」をやられると困る。変わるは変わるでも多少関連性のある話をするならまだしも、あまりにも関係のない話をするのだ。
例えば、商品Aの話をしているときに「話変わるんですけど、明日の会議って何時までの予定でしたっけ?」と言うのだ。
確かに!!確かに、会議の終了予定時刻は誰もが死ぬほど気になるだろう。でもその質問を今する必要はあるのか。
一度や二度なら良いが、これが何度も繰り返されると俺は一体何の話をしているのか分からなくなる。俺は道に迷う。
前述したように、話変わるんですけど野郎が職場に二人もいるのだ。これは恐ろしいことだ。
この二人で会話をするとどうなるか。
一回の会話の中で、二人とも「話変わるんですけど」をそれぞれ二回は言う。少なくとも四回は話題が変更されるということだ。会話は同時並行の世界のように噛み合わない。
しかし二人とも自分の言いたいことを言っているからある意味お互い満足しているようだ。ほとんど噛み合っていないのに、意気投合しているのだ。ミラクル野郎だ。
実は、俺はその二人に少し期待している。「話変わるんですけど…」の後に想像を絶するような良い案を述べてくれるのではないかと期待している。