年末の私の仕事の合間にIBMの関係者(現職ライン・マネージャー、労組幹部、リストラ対象社員を含む)を取材できた。
結論から言わせていただきますと
1)年明けもリストラが行われる。目標は2009年3月末で1,000人程度。
2)日本IBMだけが本国や在欧州・アジア法人の中でも唯一、売り上げが成長していない(利益は出ているが)ので、何かをきっかけに(例:リストラ人数の目標未達成など)日本IBMの役員が総入れ替えになる可能性もゼロではない。
3)2)が行われる場合、アメリカIBM本社から社長が赴任して徹底したリストラとビジネスモデルの改革がおこなわれる。
まず、日本の場合は他の国々、特に先進国のIBMと比べて以下の特徴がある。
4)BPO ビジネス・プロセス・アウトソースが進んでいない。
5) 大手企業はともかくとして、SMB中小法人市場に直接入りこめていない。せいぜいNOS(日本オフィスシステム)などの日本IBMの資本の入ったSIerがかろうじて入りこめている程度。
4)については日本の大手顧客でもBPOまで行うのにはアレルギーが高いため、話も聞いてもらえないで営業・コンサルが玉砕している。
5)日本IBM社員には、中小企業へのアクセスが元々少ない。慶応大学出身者が優遇されているのもいい例だが、社内で特定の学校の出身者だけが早く出世する仕組みのため、大都市圏以外の大学出身者が入社してこない。また採用しようともしなかった。日本IBMの役員や社員は手が届かない外資系や官公庁、経団連の幹部企業ばかりを見てきたが、これはおごり。全般として「おごる精神構造」となっている。
7) Dassault Systemesを設立した例に倣った形で特定のソフト(Dの場合はCATIA)なり、製造ソリューションなどに特化したビジネスに転換。日本のコンペのような大型からPC/携帯までの製品群をそろえてのビジネスはやめましょう。もう,PCはLenovo連想になったし。中型は残した方がいい。ただ、AIXは競争が大変。売り飛ばしたら?