はてなキーワード: 斉国とは
景公は牛山に遊覧して、北方にその国城を臨み見て、涙を流して「どうしようもない、この広大な国を棄てて死んでしまうのを」と言った。 艾孔と梁丘拠はこれに従って泣いた。晏子はひとりかたわらで笑っていた。
公は涙をぬぐって晏子を見て「寡人の今日の遊は悲しい。孔と拠は寡人に従って涙を流したのに、子がひとり笑うのはどうしてか」と言った。
晏子は答えて「賢者を登用して久しくこれを守らせるとすれば、 すなわち太公や桓公が久しくこれを守りましょう。 勇者を登用して久しくこれを守らせるとすれば、すなわち霊公、荘公が久しくこれを守りましょう。 歴代の君がこれを守ろうとすれば、いったいわが君はどの地位でそれをなされますか。
代わる代わる君位は継承されて、君に至ったのです。それなのに、自分ひとりが永久に国を保有しようとなさるのは、後世にとって無慈悲であります。
景公は外出して公阜で遊覧し、北面して斉国を臨み見て「ああ、古より死がなかったならいいのになあ」と言った。
晏子は「昔、上帝は人の死を善いこととしました。なぜなら仁者はそれを休息と受け取り、不仁者は屈服と受け取ります。もし古より死がなければ、 太公、丁公が斉を保有して、桓公、 襄公、文公、武公が宰相となるでしょう。
君は笠をかぶり、賤者の服を着て、くわとすきで田の中で農事に従事されるでしょう。死を悲しむひまがありましょうか」と言った。