2024-03-22

桃太郎は犬にきび団子をあげました。

犬は喜び、お礼に鬼退治にお供することにしました。

二人で歩いていると猿に出会いました。

桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたきび団子を一つくださいな」

桃太郎はうなづき、きび団子を上げました。

猿は喜び、お礼に鬼退治にお供することにしました。

三人で歩いていると雉に出会いました。

桃太郎さん、桃太郎さん、お腰に付けたきび団子を一つくださいな」

桃太郎はうなづき、きび団子を上げました。

雉は喜び、お礼に鬼退治にお供することにしました。

そうして四人で鬼ヶ島へと向かいます

鬼ヶ島に辿り着くと、みんなが頑張り鬼を退治しました。

鬼は心を入れ替え、これからは村を襲わないと誓いました。

四人は財宝を取りもどし、村に戻ると村人みんなの笑顔に出迎えられました。

めでたし。めでたし。

その後。

山に帰った猿と雉はきび団子の味が忘れられず、たびたび村に出向くようになりました。

しかし村人が気安くきび団子をくれることはなく、猿と雉はイライラしました。

きび団子の味が忘れられない。もう一度きび団子が食べたい。

その一心で、猿と雉は共謀して村人を襲うようになりました。

次第に目当てはきび団子だけではなくなり、畑を荒し野菜やお米も食べるようになりました。

村人から陳情をいくつも受け、とうとう桃太郎が重い腰を上げました。

犬と二人で待ち伏せし、猿と雉が現れるのを待ちました。

うっすらと空が明るくなりはじめると、二つの影が近づいてきます

猿と雉の姿を見て、桃太郎は説得しようと試みました。

「もうこんなことはやめるんだ」

しかし猿と雉は従いません。もう一度きび団子が食べたいのだと言いました。

もはや話し合いは無駄でした。

桃太郎と犬は猿と雉と戦い、激しい戦いになりながらもやはり桃太郎のほうが強かったのです。

猿と雉は「もう一度きび団子が食べたい」と言いました。

それから二人とも動かなくなりました。

犬は二人のあとを追い、桃太郎がきび団子を食べることはその後二度とありませんでした。

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