ふと母親が私の妹がVRを家に持って帰ってプレイしているという話をした。
「本当はあんたに言いたくなかったんだけどね」と妹は言う。
私が夜眠りにつくと、奇妙な体験をした。
妹が「起きて」と言い、何やら靴下のようなものを私の目の前でぷらぷらさせていた。
だが眠かったのでそのまま私は眠り続けた。
翌日、起きて最も奇妙だったのは、私が使ったことのない布団が私の上に何枚かかけられていたことだ。
その日、私は母親が家庭菜園をしているところを見ないかというので見ていたら、母親が不思議なことを言った。
「ほらこの芽、バカだよね、まっすぐじゃなく、横にずれてこんなところから生えている」
まるで私が違う世界に迷い込んだことを仄めかすかのような言い方であった。