2023-10-05

自己肯定感だけはある

俺が子どもの頃、両親が共働きだったので平日の夜はいつも留守番をしていた。

ある日の留守番中、怖い思いをしたんだ。その日、急いで帰ってきた両親は俺のことを抱きしめて、「ごめんね」と言って泣いていた。

その日以降、学校が終わって家に帰ると両親のどちらかが必ず「おかえり」と迎えてくれるようになった。1ヶ月後には母親仕事を辞めて専業主婦になっていた。

母親の稼ぎがなくなり、それまでのような贅沢はできなくなった。でもその頃は、毎日お母さんがいてうれしい!くらいにしか思っていなかった。

母親仕事をやめたのがどういう意味なのか分かったのはもう少し大きくなってからだった。

大学に進学する際奨学金を借りることになった時、両親は俺に借金をさせてしまうことを謝ってきたが、俺はこれでよかったと思った。

まだ全然奨学金は返しきれていないし、生きていると辛いことはたくさんあるけど、何があっても自分のことを大切に思えるのは両親のおかげだと思う。

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