ロックスターになりたかったとか、そういうことじゃないし、そういう人生も歩んで来なかったんだけど、ただ漠然といつか自分が特別なものを手に入れられると思ってた気がする。いつか特別な何かを手に入れて特別な人間になるんだって、そう考えてた。特別な人間になることが先じゃなくて、特別な何かを持っていることで特別になろうとしていたあたりが俺の人間の小ささを表している気がする。ともあれ俺はどうしようもないくらい普通に生きてきて、多分これからも普通に死ぬんだろうなと思うとすごく悲しい気持ちになる。多分死ぬときに思い出すことなんて何もないんだろうな。
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