2022-03-31

長い間わたしたちは見つめあっていた。

長い間わたしたちは見つめあっていた。

まだお互いに触れ合ってもいないのにあの人はしっとりと汗をかいていた。

あの人の吸い込まれるような青い目に見つめられると、自分ほとんど

裸でいることがひどく無防備に思えてくる。

あの人の故郷のあのヨーロッパの小さな国では、男の人はみなこんなに

たくましいのだろうか・・・。そんな思いに心を漂わせていると、 ふいに彼が

こちらに手を伸ばし、気がつくとわたしはそのがっしりした腕の中に抱き

すくめられていた。

彼はわたしの耳元で激しくあえぎながら、いつもの性急さで、わたしの体を

覆うたった一枚残された布切れに手を伸ばしてくる。

いけない。またいつものように彼に主導権を握られてしまう。

わたし必死抵抗するが、もう手遅れだった。

彼は腰を打ち付けるようにしてがぶり寄ると・・・・・

わたし土俵の外に押し出したのだった。

anond:20220331141053

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