■好きだった創作者は人気になると創作物がつまらなくなってしまう
寂しくてむなしくてどうしたってうまくいかない、解決しない歌が好きだった。
同じところをぐるぐる回ってどこにもたどり着けなくて最終的に頭を抱えてうずくまってしまう悲痛な歌詞。
自分以外のすべてが異形に感じられてしまうような息苦しさ。
そういう表現が好きだったのだけど、寂しさとか虚無感といったものは人気とともに埋められてしまったかのように作風が変わってしまった。
内面の悩みを抱えるのではなく放り出して人とのつながりを賛美するようになってしまった。
誰が歌っても同じような、物語的な解決を掲げるようになった。
ありきたりな恋愛みたいな、こなれた分何もひっかからない。
惰性のように新作がもてはやされているのを見るとすごくむなしい気分になる。
今も曲としては聞きやすくて人気が出るのも理解できるし、完成度も高いのだろうし、
作品の表現と創作者の心情が必ずしも一致しないことも理解してるのだけど、前の方が好きだった。変わらないでほしかった。
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