う意味で画鋲が入れられていた、と考えている。それを見つけたのは朝の慌ただしい時間だったので、一度何も見なかったことにした。その日の授業中は、どうやって自然に片付けようかとか、もし底板に目をやらずに手をついていたらとか、気分の悪くなるようなことをとにかく考えさせられ、いつもより数段余計に疲れてしまった。
結局、画鋲を片付けたのは放課後になってからだった。人目を気にしてこそこそしている自分を思うとすこし笑えたが、明確な害意を持っているモノを片付けるのはそうもいかなかった。数えることはしなかったが、10個よりは多く入っていたので(しかもご丁寧にすべて針が上を向いていた)、間違って入ってしまったということは、やはりないだろう。針をつまんでケースに入れていく間に、指と爪の間にそれが食い込んでくる想像をしてしまって、思わず身がすくんだ。
いや、画鋲に怯えている訳ではなかった。面と向かってではないが、強い敵意がそこにあるように見えた。知らないところで、私の手のひらが穴だらけの血塗れになってしまえばいいという無責任さ。恐らくこの画鋲は、結果まで考えられていないだろう。どのような結果になろうが、私に嫌がらせができればそれでよい、そんな敵意が向けられていたとしたら……。
考えが悪い方へ流れてしまっているのは自分でもわかるが、今は止められない。もっと早く片付けておくべきだっただろうか?いや、過ぎたことだと、必要のない葛藤をしながら、慎重に画鋲を片付けた。
実話を書いている、という前提でレスつけますけど、お前の下駄箱に入っていたのは、狂気とか害意とか悪意とかではないよ。 漫画のマネだとか、ノリだとか、お前に関する無関心と...