2020-12-04

?「いいかよく聞け、世界複数ある」

そんな事を急に言われて信じる奴が居るだろうか?

だって信じない。俺だってそうだ。

から俺はまず訊ねた。

「お前は誰だ?」とね。

すると奴は答えた。「別の世界から来たお前だよ」

けがからない。だが奴は、別の世界から来た俺と名乗る奴は話を続けた。

「この世界を救いたいなら、俺の言うことを聞け」

「はぁ?」

「俺の世界は滅亡した。だがこの世界なら……」

男は顔を伏せ、再び顔を上げると目が合った。

「……救えるかもしれない。だが、それもお前次第だ」

「俺が?」

「ああ、そうだ。俺の世界は駄目だったが……なぁ、おい。お前……といっても俺だが。……この世界を愛しているか?」

「そりゃ……もちろんだとも」

俺には愛する妻も子供も居る。だからこの世界を愛している。

「だったら安心だ。頼むぜ、この世界の俺!」

男はにやりと笑うとその姿は次第に薄くなり、蜃気楼のように目の前から消えた。

「……何だったんだ今のは」

俺は他の世界から現れた自分を名乗る男に戸惑い、男の言った言葉呆然としていた。

だが世界危機は、そこまで迫っていた……

これは俺が、俺が居る世界を守るための物語――



「『この世界のカター・スミニー』かぁ、きっと面白い映画なんだろうなぁ!」ドキドキ

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん