猫 頼むから私の足にまとわりつかないでくれ
我慢してくれ 猫
もし 私がお前で転んだらお前は痛いだろう
(私も痛いけれど)
そして転んだ私がもし お前の上に覆い被さったら
もし 私がお前で転ぶまいと お前から足を離そうとしてもなお
お前が私の足にまとわりつくならば
今度はお前の足を踏んでしまうだろう
お前のかわいい足を ヤマザキパンが売ってそうな足を 爪と肉球を内包した足を
踏みつけて潰してしまうだろう
いいか 猫 お前は4kgで
のしかかるのだ
それと比べれば 顎すりすりを我慢するのはなんでもないだろう
猫 お前は強い
私にはお前のような爪はない 牙もない
猫 お前のその爪と牙ならば私の喉笛を切り裂くこともできるだろう
しかし 猫 お前はもろい
あまりにも小さすぎる
いくらでぶになろうとも その骨は細いままだ
その骨で私の体重を支えることはできない
だから 猫 私の足元をうろつかないでくれ
猫 私の足元をちょろちょろしないでくれ
猫 猫 頼む 猫