女子大生の4人組が歩いていた。
つい昨日まで「ああ、あの中の誰かが俺のことを見ないかな、振り向いてくれないかな」って
淡い期待をして視線を送ったりしていたけれども、
「女子大生なんて小便くさい小娘じゃないか」と思うようになった。
否、思い込ませるようになっていた。
これはマッチングアプリで出会った30歳ちゃんで妥協してしまおうと
自分自身に言い聞かせたいがために、こんな思考回路に陥っていたのだ。
彼女たち女子大生には何の落ち度もないと言うのに、僕は無意識的に低評価をつけようとしていた。
30歳ちゃんで妥協しようと思わなければ、女子大生たちに対する評価はニュートラルであったはずだ。
これはとても恐ろしいことだ。
自分に都合の良い世界(30歳ちゃんで妥協する世界)の定義(女子大生はガキ)を、自分に信じさせようとしていたのだから。
これはとても恐ろしいことだ。