少女は昔ながらのあどけない姿で言った。
「私バツイチになるわ。貴方から家庭の不満を聞かさ続けた影響で」
君は、博多で家庭を持ったのではなかったか。小学生、いや幼稚園からずっと一緒だった君は中学生になって他人の愛を求めた。それでも今更自分の人生の操舵を私に任せようとしている
その船には穴が開いて居たのだと言う。
どうして相談してくれなかった?という喉元まで出掛かった言葉を飲み込む。彼女と共にいながら、私は自分自身について語り過ぎていた。
思えば学生時代など、常に空虚な物だった。さして感動的なハプニングもなく、それなのに感情的な自分を求められる。淡々と生きられない。
「勝手にしたら良い。もうおんぶに抱っこはごめんだ」
彼女は私の夢など見ないのだろう。幸せな夢を見て、おやすみ。
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