いくつなっても女の呪縛から逃れられない。俺には彼女たちに甘えることも、彼女たちを傷つけることも、彼女たちを貪ることもやめる事ができない。自動的なのだ。女という人間と仲良くなると彼女たちの全てを食らいつくしてしまう。人食い虎が山の中で獲物を見つけた時のように、オレには選択肢が残されていない。
彼女たちの柔らかな首筋に牙を立てるとき、俺は確かに愛を感じている。この愛しい女の何もかもを咀嚼し、飲み込み、自らとしたい。そんな倒錯した思いを抱きながら、俺は彼女たちを貪る。彼女たちが壊れていく様を見ながら食べることをやめられない。涙を流しながら、彼女たちを食べ、彼女たちが長い時間をかけてつちかっていたものが損なわれる様を見ている。
自分は生まれてきては、生きていてはいけない存在なのだとそのたびに思う。でも俺にはやめることができない。目の前の彼女たちを傷つけて、損なって、壊していくことしかできない。そうすることでしか生きられないのだ。