2018-09-27

anond:20180927204013

三島由紀夫

名文家として定番だし

豊饒の海」は物語としても面白い

「清顕は馬車が好きだった。とりわけ心に不安のあるときには、

馬車の動揺が不安独特のしつこい正確なリズムを乱してくれるからで、

又、すぐ身近に馬よりももっと裸かな馬の尻にふり立てられる尾を感じ、

怒る鬣(たてがみ)や歯噛(はが)みに泡立ちつややかな糸をなびかせる唾(つばき)を感じ、

そういう獣的な力にすぐ接している車内の優美を併せ感じるのが好きだった。 」

「この世には幸福特権がないやうに、不幸の特権もないの。悲劇もなければ、天才もゐません。

あなた確信と夢の根拠は全部不合理なんです。

もしこの世に生れつき別格で、特別に美しかつたり、特別に悪(わる)だつたり、

さういふことがあれば、自然が見のがしにしておきません。 」

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん