生まれてからずっと友達がいないまま、30歳を迎えようとしている。友達がいない理由は、ひとえに私が他人を受容する力がなく、人間アレルギーのごとく他人を拒絶してきたからだ。
友達のいない人生を歩んできたことが正しかったとは全く思わないが、人生をもう一度やり直しても、私が私である以上は友達が出来ないだろう。
ただ、それでも、もし友達のいる人生を歩んできたら、どのようなものだったろうと想像することがある。どのような人と付き合い、どのような喜怒哀楽を経験し、それが人生にどのような彩りを添えただろうかと。
大層な言い方だが、人々がふつうに体験していることを体験してきていない私にとっては、実際、大層な話なのである。
世を生きる力がない私は、早々と眠ることになるだろう。それまでにこの想像の答えの一端でも、知ることができたら嬉しいと思う。
45のおっちゃんが友達になったろか? 焼き肉でも食べに行こう。
ひとりでいたからこそ添えられた人生の彩りもあったのではないか。俺はあったよ。