僕が小学校のテストで満点を取った時、母さんはほめてくれた。
医者か弁護士か、立派な人になると自慢していた。
でも中学のときからだんだんと授業がむつかしくなって
どんどん分からなくなっていった。
僕がテストで赤点を取る頃には、
母さんの興味は中学でも満点を取ることのできる妹に移っていた。
本当はいつも僕を庇ってくれた父さんと同じ理髪師になりたかったけど
高校はとても難しくて、中退してしまった。
結局、おじさんの友人がやっているパン屋に就職した。
母さんは僕に話しかけることはもうずっとなかった。
この前、妹は国立の大学に進学が決まっているらしい。
お母さんは「立派に育ってくれて自慢の娘だわ」と言っていた。
僕はりっぱになることができなかった。
どこでしっぱいしたのだろう?うさぎの足をなくした時かな。
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