昔、勤めていた病院で、夫婦そろって文盲の人が入院していた。その当時で60代くらいの、純朴で善い人たちだった。
でも妻の方の病気が悪化して新しい治療を導入した結果、いささか複雑な処置を自分で覚えてやってもらう必要が出てきた。
普段ならば用意してある説明書を渡すのだが、字が読めないので当然その手は使えない。
苦慮の末、看護師の中でイラストの得意な人が絵文字を使った手書きの説明書みたいなのを作って、それを渡して説明していた。
二人とも数字だけは読める(妻は自分の名前が書ける)ので、それがせめてもの救いだったっぽい。
あの夫婦はその後どうしているだろうな。
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