それは、彼らが世界で一番「その世界」を強烈かつ直接的に感じることが出来るからだ
絵を書ける人は、世界で最も強く視覚的な“地平”について知覚できる
音楽を作れる人は音の“地平”において、小説を書ける人はストーリーの“地平”において
そうではない人間に比べて、より美しくその“地平”を知覚することが出来る
作られた作品は、彼らが知覚した膨大な“地平”の中から一部が零れ落ちたものに過ぎない
私が彼らの作品を見て感動する以上に、彼らは彼らが知覚する“地平”に感動する
「世界をそのように知覚し続ける事ができる」という彼らの体験そのものを羨ましく思う
彼らは日常的に、私達が美しいと思うものを知覚し続けることが出来るのだから
私は、彼らが見ているものの「ほんの一部分」をフィルターを通して共有して貰っているに過ぎない
私は、彼らになりたい
彼らに憧れる理由とは、それだ
追記 越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という...