2017-05-16

血っておいしいよね?

ほっぺたの裏を歯で噛みきって、そこから血を飲むのが好きだ。

あまじょっぱくて、コクがあって、なんて甘美な飲み物だろうと。ほのかに温かいのも、なんだか体によさそうだ。

口の中の傷はちょっと段差ができていて、舌の感触と歯先の繊細な仕事で、少しずつ傷口を広げていくのも楽しかった。深くむしってしまうと痛いから失敗だ。血はすぐに止まってしまうので、一日のうちに何度も噛んだり薄皮をむしったりしては、また血をすする。禁断の美酒とは、このようなものをいうのだろうか。

でも大人になってからは、あんまりやらなくなった。しょっちゅう傷をつくっているのは、子供っぽいなと思ったからだ。

とは言っても、火傷とか、うっかり噛んだとかで口内に傷ができたときは、おもわず血が出るまで嚙み破って、ちゅうちゅう吸ってしまったけど。

大人になって、久々に血を飲んだら、ちょっと胸焼けした。ショックだった。年は取りたくないなって思った。

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