おでんの大根はほぼつゆの味であり大根がなにをしたわけではない。
でっぷりと鍋のなかでふんぞり返り、しかし性格はいたって温厚。隣のはんぺんがおだしを出せばその色に染まりはす向かいのごぼ天が油を浮かせればしゅんと吸う。
彼自身はなにもしていない。ただつゆを吸い、周りの個性を吸い、でっぷりとそこにいるだけだ。
どんなにきんちゃくが着飾ってもやぼったい、人参がいやなんだよね、とかもちは溶けるからつゆが濁るんだよねなんて言われる。有能なのに。
ごぼう、いか、ウインナ、ぎょうざとか「天」だけでこれほど布陣を整えているのに少なくともこの天の面々ではおでんランキング5にはどれも入れない。
玉子、ただそこにいるだけ。ダシとか出さない。これは大根より劣るといわれてもやぶさかでない。大好きだけど。おつゆに黄身を溶けないようにひたしながら食べたいけど。
あと食感が昭和。にゅくっと歯に当たっておつゆをちゅっと吸いながら食べるとほぼおつゆ。やわやわ。日向臭。
振り返っても大根はなにもしていない。無油、無糖。
関東の闇将軍ちくわぶを忘れてもらっては困る。
天ものや筋は出汁を出し、味を深くし 大根や卵はそれを吸い、出汁が濃くなりすぎるのを防ぐ。 持ちつ持たれつ、需要と供給なのだ。 しかし出汁に浸かるあらゆる具の美味しいところ...
はてな村の増田さんみたいなものか
となると、静岡おでんあたりが元増田にはよさそうだな。 静岡おでんは今でこそ種がよそと変わり映えしないものも多いけど、本来は大根を入れないらしいから。 つゆが継ぎ足しだっ...