他にも担任だった先生はいるのに会いたいと思ったのはその先生だけだった。
別に親身に相談に乗ってくれた訳でもないし、何かで怒られたこともない。特別な思い出も特にない。
唯その先生は、最も私たちの目線に近づこうとする意識が高いように写っていた記憶が残っている。
変な言い方になるかも知れないけど、先生には教師として一生徒であった私が、どうしてこの学校を選んだのか、
当時何に悩んでいたのか、卒業後に何をしていたのかとか諸々を知る権利があるんじゃないのかと思った。
今更になって先生という存在のありがたみが分かるようになったのかもしれない。
それを伝えることが先生に対する私が精々できる御礼な気がした。