知ってるかこの口くさ野郎ども。
口はもともと閉まっていたものだ。
開きはじめたのは人類の祖先がようやく海から陸へと生活圏を移していったころ。
それは始まりではあったが永久とも思える速度で徐々に開いていった。
ユカタン半島に落ちたとされる大質量隕石によって恐竜をはじめとする多くの生物が死滅したのは知っているだろう。
あの時も口はまだ息も出来ないほどにしか開いていなかった。
ホモサピエンスが現れ文明を築き上げたが、その間口は微粒子レベルでしか開かなかった。
逆にまた閉じる気配まであった。
それがここ数十年で激変した。
口は何もしてなくても開くようになった。
開くだけじゃない。ガバガバだ。
うかれたような口だ。
ドナルドダックのような口だ。