数年前、GREEの『探検ドリランド』という携帯ゲームに熱中しており、多少、絵心のある私は、ゲームとは全く別の部分、コミュニティーのなかで似顔絵をドリランド風に描くよ、といってゲーム内通貨で商売し、それを元手に値上りしそうなカードを購入。値上り前に買い占めては転売、値下がりの気配を察知したら少し価格を下げて素早く売り抜けるなどを繰り返して莫大な資産を形成した。
ゲームの本筋を一切無視して資産を拡大することのみに注力した結果、およそ二ヶ月程で当時ヤフオクで数万円で取引されていたようなカードを大量に入手し、ゲーム内通貨も最早使い切れぬほど貯まった。
飽きてくると「初心者さん限定です☆」など言って高価なカードを二束三文で売りに出したが、決まって欲の皮の突っ張った中学生が、自らの熟練具合を偽って我先にと群がってくるので、床にばら撒いた小銭を拾わせるような腐った優越感に浸った。