そこのATMは、ゆうちょ銀と地銀の2つが同居していて、中がとても広い。ATM室の中で行列するタイプだ。
いつもは、中で並ぶので、外で待っている人はATM利用者を待っている人がほとんどだ。
入り口の自動ドアのところに微妙な位置に待っているおばちゃんがいた。念のため、そのおばちゃんに並んでいるのか聞いてみたら、並んでいるそうだ。
寒いけど仕方がないので、そのおばちゃんの後ろに並んだ。
ゆうちょ銀のATMを使っているおねえちゃんは、オクの送金をしているのか、スマホを使いながら、何件も送金していた。
3分くらい時間が流れ、地銀のほうが空いた。前のおばちゃんは動かない。
「寒いので中でならびませんか」と声をかけてみたが、おばちゃんは無言だった。
変わったマイルールを持っていると思った。
これ以上、かかわるのも面倒なので、おとなしく並ぶことにした。
この判断は、予期せぬ事態を引き起こした。
繰り返し必死にATMを操作していたおねいちゃんがATMを出ようとしたときに間髪入れずして、別のおばちゃんが割り込んできた。
「あーあ」と心の叫びが声に出そうになった。
おねいちゃんが出るまで待っていたおばちゃんが、「私並んでいたんですけどと」とATMの前に陣取った割り込んだおばちゃんをけん制した。
並んでいたと気がつかなかった割り込んだ形になったおばちゃんもバツが悪そうに「並んでいないと思ったの」と必死にアピールしていた。
間が悪いのだが、分かりにくい並び方でマイルールを貫いたおばちゃんの後ろに並んでいたおいらも微妙な気持ちになりながらも、知らずに割り込んできたおばちゃんの後にATMを使った。
それだけ。無駄に神経使った。なんだか後味が悪い。