アニメをほとんど知らないまま、誰かがどこかで勧めていたのを映画館のポスターを見て思い出し、吹き付ける雨と風に晒されるぐらいなら、と軽い気持ちで映画館に入った。
あれだけ泣いたのは久し振りだった。恐らく、僕の人生の何処かにも似たような心境や場面があったのかもしれない。「贖罪」と表現すると大げさだろうか。けれど、「確かに許されたい」という無念や後悔は生きとし生けるものが抱く、宿命のようでもあって、こんなにも胸が痛むのか、と涙と鼻水が止めどなく流れた。
ひとしきり泣いた後、スタッフロールの間で流れていた音楽のベースとドラムが、胸を一定のリズムで震わせると、映画館だからこそ響く「音」を思い、「場」の大切さを改めて感じた。泣き疲れることなく、穏やかに心拍数が落ち着いたころには涙は乾いていた。