2013-08-24

寓話

初めは小さなお店でした。

儲かっているか心配になるような小ささでしたが、数人の常連客がお店を支えているようでした。

その頃は、店主と客の距離が近く、コミュニケーションをとれましたし、多少のわがままも聞いてくれました。大きな声を出して騒くこともできました。

何せその常連客でいっぱいになってしまうくらい小さなお店です。

すべての客に店主の目が行き届くので、仲良く楽しく過ごすことができました。

度が過ぎれば注意することだってできました。

やがてそのお店は人気店となり、常連客以外の客も多く訪れるようになりました。

100人、1000人と加速度的に客の数は増え、お店の規模を拡大せざるをえませんでした。

そうなるともう店主も一度に客全員の対応をすることは困難になります

できるだけ多くの客の希望に応えるため試行錯誤の日々です。

日々新しく訪れる客と同様に、誰も知らない頃からお店を支えてくれた常連客もやって来てくれます

常連客は大きくなったお店でも、かつてと同じように大声を出して騒ぎます。気兼ねなく店主に話しかます

他の客も大勢いるため、店主はかつてのように対応することはできません。

新しく来た客は、常連客の態度に怪訝そうな顔をしています

でも常連客は「昔からこうだよ」と言って騒ぐのをやめません。

店主からやんわりと注意が入りますが、気にも留めていないようです。

常連はいものようにはしゃぎ暴れまわり、楽しそうに帰っていきました。

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