同級生のO君が受験に失敗して20年が経つ。
地方の公立高校(上の下レベル)を卒業した彼は、
2浪してもいくところがなく、
いっそ専門学校でもいこうかと思ったが、
結局あらゆるやる気を失い部屋に閉じこもることになる。
彼が日々何を考えているのか私には知りようもないが、
どうも一日中、部屋の掃除をしているようだ。
というのも彼の部屋は2階の西向きにあるのだが、
少しだけあけられた窓から
掃除機の乾いたモーター音がズコココココォと、
毎日朝から晩まで不定期に聞こえてくる。
そしてその音を聞くと、私はジョジョ4部の形兆・億泰兄弟の父親を思い出す。
朝から晩まで掃除機をかける彼は、
まるで完成されない写真のピースを永遠に探し続ける虹村父のようだ。
社会の歯車にもなれなかった彼は、
ずっと死ぬまで自分の部屋を清掃しつづけ、
きっと死ぬまで続くのだろう・・・・・・。
そんな彼を僕は自分の部屋からそっと見続けている。
ツイートシェア