2011-11-01

氷河期になれなかった男

同級生のO君が受験に失敗して20年が経つ。

地方の公立高校(上の下レベル)を卒業した彼は、

2浪してもいくところがなく、

いっそ専門学校でもいこうかと思ったが、

結局あらゆるやる気を失い部屋に閉じこもることになる。


彼が日々何を考えているのか私には知りようもないが、

どうも一日中、部屋の掃除をしているようだ。

というのも彼の部屋は2階の西向きにあるのだが、

少しだけあけられた窓から

掃除機の乾いたモーター音がズコココココォと、

毎日から晩まで不定期に聞こえてくる。

そしてその音を聞くと、私はジョジョ4部の形兆・億泰兄弟の父親を思い出す。

から晩まで掃除機をかける彼は、

まるで完成されない写真ピース永遠に探し続ける虹村父のようだ。

社会歯車にもなれなかった彼は、

ずっと死ぬまで自分の部屋を清掃しつづけ、

きっと死ぬまで続くのだろう・・・・・・。

そんな彼を僕は自分の部屋からそっと見続けている。

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