2011-07-14

14 ななしのいるせいかつ :2007/07/19(木) 17:03:09

東京杉並区荻窪駅前の教会通りに佐藤コロッケ店があった。

塩味がほどよいおいしいコロッケが評判の、遠方から買いに来る

客も多い店だった。店長は心優しく、施設の身よりの無い子供

引き取って何人もの里親になっていた。そのため、お店は繁盛していた

ものの、佐藤コロッケ店の夫婦貧乏所帯をやりくり。

ところがあの年の台風で、お店は半壊。貯金もない夫婦には、店を

立て直す資金もなく、里子達をかかえ、途方に暮れるしかなかった。

他に収入のあてもなく、半壊したお店の片隅で、なんとか無事だった

フライヤーを使い、夫婦コロッケの販売を再開した。

やがて、お店の窮状を聞いた常連達が、続々とお店に詰めかけた。

から晩まで、コロッケ店の前に客が並んだ。忙しいお店を手伝う

里子の息子達。

やがて店は立ち直り、それから台風が来ると、佐藤コロッケ店の前には

いつも行列が出来るようになった。

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